さて今回はAPS-Cセンサー搭載のカメラを買ったわけですが、買うまでにいろいろ調べた中で私が勘違いしていた部分もあったので、調べた際のメモを残しておきます。
改めてカメラとレンズについて調べてたら、色々出てきまして面白いなぁと思った次第。まだまだ勉強不足だと痛感しております(まぁ趣味で使ってるだけなんだし、徐々に楽しみながら慣れていければ良いかなーと)。
結論として行き着いたのは、センサーサイズごとのメリットデメリットはあるので、結局それぞれの良い部分を使っていかに撮るかが重要というありきたりなもの。
まぁ工具だって同じですよね。社内だと重たくてもパワーが出せて作業効率の高いものを使いますし、出張先だとなるべく手動でも良いから小型で軽くて多種類の工具を持っていきたくなります。
結局プロでやっていくにはいくつもの工具を用意することになります。必要なシーンに合った道具を用意して使う。ただそれだけのことなのです。
APS-Cはボケない訳ではない
よく「同じ画角でフルサイズとAPS-Cの比較を~」なんてボケ方の違いを紹介しているところが多いですよね。
このようにボケ方が変わって見えるのは、単純にフルサイズとAPS-Cで撮影時のレンズが変わってるせいです。
そもそも、光の像はレンズを通った時点で殆ど決まっているわけですから、センサーサイズでボケ方が変わるわけが無いんですよね。
APS-Cの場合は同じ立ち位置からフルサイズの画角と同じにしようとすると、フルサイズの約1/1.5倍の焦点距離に変更する必要があります。
被写界深度はF値,レンズの焦点距離,撮影距離で決まります。
焦点距離が短いレンズを使うと被写界深度が深くなります。結果としてボケにくくなるということです。
逆に言えば原理さえ解れば、あとはこの3つの要素を上手く使えば(物理的な限界はありますが)APS-Cでもボケをコントロールできるということでもあります。これはどのセンサーサイズについても倍率は変わりますが同じことが言えます。
感度, ダイナミックレンジの違い
これは完全に撮像素子サイズに依存して、中判やフルサイズなど大型で画素数の少ない、受光素子(フォトダイオード)のサイズが大きいものほど高感度で静電容量(ダイナミックレンジ)も増やせます。これは原理的(物理的)に検出方法そのものを変えるとかしない限りはどうしようもありません。センサーサイズが大きくなるほど高価になるだけはあるということです。
まぁAFEとADCの性能も年々進歩しているでしょうから、単純に素子サイズだけが要因とは言えない部分もありますが。
但し感度だけに限って言えば、例えば同じ構成の素子とすると、どのセンサーサイズでも原理的には光子一個あたりに発生する電荷はほぼ同じはずですから、高感度にしようとすると必然的に光をいっぱい取り込める(高価な)大型のレンズも必要になってきます。
じゃぁAPS-CでもF0.95とか使えば良いじゃんとなるのですが、そうするとレンズに無理が出て画質が犠牲になってしまうようです。フルサイズ用レンズにフォーカルレデューサー付きのマウントアダプターをつける手もあるようですが、どの程度まで画質を維持できるのかは私はまだよくわかっていません。
ダイナミックレンジについては大きいほど後で現像するときに調整しやすいですが、結局はまだ多くの場合でJPEGの8bitに出力するということを忘れてはいけません(TIFFやHEIFも普及してきてますが、まだあまり一般的ではない印象があります。)。業務で使うとこはちゃんとした設備を持っているのでしょうが、結局高い階調で撮っても後で殆ど捨ててるんですよね。ディスプレイもまだまだ8bitが一般的ですし。
重さ,サイズ,価格
実際に販売されているものを見れば言わずもがな。 バッグに詰めだすと判るのですが、やっぱりAPS-Cだとかなり小さくて軽くなるのが魅力ですね。
趣味で外出するときも、ノートPC,オシロ,ハンダごて,工具,予備部品等々、スーツケースやバッグに詰め込んで持ち出すことが多くて、フルサイズだとどうしても物理的に無理なことが多いんですよね。
でも最近はα7Cなど、フルサイズもレンズ含めて大分小さく軽くなってますね。もしかすると用途を絞って上手く組み合わせるとAPS-C並みに小さくなるのかもしれない。
もっと総合的に考える必要がある(一部分だけ凄くてもあまり意味がない)
ちょっと余談ですが、最近になってようやくRAW現像ソフト(試用版)を使いだしました。
元も子もない話ですがLightroomやPhotolabが凄すぎて多少画質に問題があっても割となんとかなってしまう印象。やっぱり最終的にはこういう現像ソフトも必要になってきそうですね。
色々いじって見てしみじみ感じたのは、最終的に考えると
- 光源から光が出て
- それが撮影対象に当たって反射して
- その反射光がレンズで集光されて
- 受光素子でその光を受けてAD変換されて
- デジタル(RAW)データになって
- デジタルでノイズとかWBとか色々画像処理されて
- JPEGとかTIFFとか一般的なフォーマットに変換されて
- モニタや印刷によって表示されて
- その光を人が見る
までの長い長い一連の処理全てが写真なんだなぁと。そしてこの間の全ての要素がちゃんとバランス良く機能しないといけないわけです。オーディオでも同じような話がありますが、レンズだけ,受光素子だけ,デジタル処理だけなど、単体だけ見て高性能でもその他が貧弱だと宝の持ち腐れでしかないということですね。
こうして改めて見ると、これらをほぼ全てカメラ内で(しかも電池で動く程度の省電力で)たった数秒でやって、かなり良いものを出力してしまうのって実はかなり凄まじいことをやってますよねぇ。


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