実は、プローブを使わずにオシロの入力へ信号が崩れないように接続する作業は割と大変です。
周波数が高くなるにつれて、ただ信号源と同軸ケーブルを繋げば良いという訳ではなく、信号の反射をどう処理するかが問題になってきます。詳しくはパッシブプローブの説明を捜すと、色々説明されているサイトがあるので探してみてください。
で、参考のためにテクトロニクスの差動プローブP5200Aがどうなっているか確認するために取説を見ると、はっきりと
BNC: 外周がグランド接続で中心に信号ピンを持つ 50 Ω シールド同軸ケーブルによる接続です。 P5200A 型プローブには BNC インタフェースが使用され、多くのグランド基準のオシロスコープに直接 接続することができます。
と書いてあります。このプローブの仕様は
- 帯域は100MHz max
- 高損失同軸ケーブルでは無い
- ケーブル長は1.8mもある
- しかもオシロ側は50Ωではなく1MΩ終端の状態で使う
であり、普通に考えるとインピーダンスが不整合の状態で信号がもろに反射しそうなのに、どうやっているのだろう?
気になって調べていると、どうやらバック・ターミネーションという手法があるらしい。
まず出力と同軸ケーブルを50Ωに合わせておいて、オシロ側だけで全反射させる。そして戻ってきた反射波を出力で吸い込むんだとか(但し、それが可能なくらい出力インピーダンスが低い必要がある)。
本当かよと思ってLTspiceで試してみると、確かにうまく伝達できている。 なるほどこういう手を使えば、50Ω終端できないオシロとかでも(終端アダプタ無しで)使える訳ね。 プローブ用の高損失同軸ケーブルはなかなか売ってないので、一般的な同軸ケーブルで済むのも助かる。
ついでにパッシブプローブみたいにコンデンサを並列で入れたら帯域が伸びるかなと思ったら、そう上手くはいかないらしい(特性が悪化するだけ)。ということで100MHz超をえてくる辺りから、この手は使えなくなるのかな?

ちなみに、出力インピーダンスが50Ω以外だとこうなる。

と言う訳で本当にこんな回路になっているのか、実機を見てみましょう。流石にP5200Aは無いですが、壊れたP5200は(参考資料として)持っています。

中を確認すると、ちゃんと49.9Ωを介して同軸ケーブルに接続されていることが見て取れます。少し判りにくいですが、同軸ケーブル接続箇所の真下の抵抗が [黄白白金茶] で、49.9Ωになっています。


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